治療薬の進歩により、関節リウマチの疾患活動性をコントロールし、関節破壊を抑制できるようになりましたが、疼痛や倦怠感などの症状を自覚する患者さんは少なくありません。患者報告アウトカム(patient reported outcome:PRO)とは主観的症状やQOLの評価指標として活用されます。関節リウマチのPROを理解するための3つのポイント、「臨床試験でPROを評価する意義」、「関節リウマチで使用されるPRO」、「日常診療でPROを活用するメリットと留意点」について、東邦大学内科学講座膠原病学分野 教授 亀田秀人先生にご解説いただきます。

ondemand_video動画[9分1秒]
演者
東邦大学医学部内科学講座 膠原病学分野 教授
亀田 秀人 先生

目次

  • 関節リウマチ患者さんの主観的症状の改善を目指して【0:00】
  • ポイント1:臨床試験でPROを評価する意義【1:23】
  • ポイント2:関節リウマチで使用されるPRO 【2:26】
  • ポイント3:日常診療におけるPRO活用のメリットと留意点【5:13】
PROの定義

PROとは、「被験者の症状やQOLに関して、自分自身で判定し、その結果に医師をはじめ他のものが一切介在しない評価方法」と定義されます。医師の評価や検査では捉えられない、患者さん側からの症状評価を把握できることが特徴です。

PROの定義
関節リウマチの評価に使用される主なPRO

関節リウマチではHAQ DI 、SF36 、 FACIT-FなどのPRO指標が用いられます。日常診療においても、患者さんによる症状評価が滑膜炎評価のスクリーニングとしての活用できる可能性が示唆されています。

関節リウマチの評価に使用される主なPRO