「膠原病に伴う間質性肺疾患 診断・治療指針2020」について
第1回 膠原病に伴う間質性肺疾患(総論)
2020年4月に発行された、「膠原病に伴う間質性肺疾患 診断・治療指針2020年版」について、日本医科大学付属病院リウマチ・膠原病内科 教授 桑名正隆先生に2回にわたりご解説いただきます。本診断・治療指針は、膠原病に伴う間質性肺疾患に対する世界初の診断・治療指針です。今回は、膠原病に伴う間質性肺疾患の分類・治療の概観をテーマにお話いただきます。
ガイドラインの必要性
膠原病領域においてILDが予後不良病態として重要視されていること、病型分類の考え方も大きく変化がみられていること、治療選択肢が広がったことから、診断・治療指針の必要性が高まってきました。
CTD-ILDの発症・挙動に応じた治療目標
CTD-ILDの治療においては、disease behaviorに基づく治療目標を設定しています。 disease behaviorは、病変の可逆性、発症様式、再燃・急性増悪のリスクにより分類します。