フィルゴチニブは、JAKに対する選択的かつ可逆的なアデノシン三リン酸(ATP)競合的阻害剤です1,2)
JAKは、サイトカイン又は成長因子-受容体相互作用から生じるシグナルを細胞膜に伝達し、造血、サイトカインシグナル伝達、及び免疫細胞機能の細胞プロセスに影響を及ぼす細胞内酵素です。シグナル伝達経路内で、JAKは遺伝子発現を含む細胞内活性を調節するシグナル伝達兼転写活性化因子(STAT)をリン酸化し、活性化します。
フィルゴチニブはJAKを選択的に阻害しSTATのリン酸化と活性化を阻害することによってシグナル伝達経路を調節します3)

サイトカイン及び成長因子刺激全血アッセイにおいて、フィルゴチニブのJAK1に対する阻害活性はJAK2の14.1倍でした(IC50はそれぞれ506nmol/L、7,118nmol/L)1)。細胞アッセイでは、フィルゴチニブはJAK1を介したSTATのリン酸化を抑制しました2)。フィルゴチニブの主要代謝物であるGS-829845は、in vitroにおいてフィルゴチニブの約0.1倍の阻害活性を示しました(IC50はそれぞれ546nmol/L、53nmol/L)4)

ジセレカ錠の作用機序(動画)

ヒトWBAにおけるフィルゴチニブのSTATリン酸化の抑制に対するIC501)

JAK-STATシグナル伝達経路の概略 5,6)とフィルゴチニブの作用機序(in vitro

*:IFNα/β/γ、IL-2,4,6,7,9,10,15,20,21,22,28

文献5),6)より改変、作図

1)社内資料:非臨床薬理-全血アッセイ
2)社内資料:非臨床薬理-細胞アッセイ
3)Banerjee S, et al. Drugs. 77:521-546, 2017
4) 社内資料:非臨床薬理-In vitro 生化学アッセイ[30、31、94、95、109、0163]
5) O'Shea JJ, et al. Annu Rev Med. 66:311-28, 2015
6) Rawlings JS, et al. J Cell Sci. 117(Pt8):1281-3, 2004