関節リウマチの薬物治療を行う上で注意が必要な感染症である帯状疱疹について、神戸大学大学院医学研究科 感染症センター 臨床ウイルス学 定岡知彦先生に2回にわたりご解説いただきます。水痘帯状疱疹ウイルスの潜伏感染から再活性化が起こるには、細胞環境の変化によりウイルスRNAの転写・発現が必要ですが、その際に、水痘帯状庖疹ウイルス潜伏感染転写産物(VLT)が鍵となります。

ondemand_video動画[9分20秒]
演者
定岡 知彦 先生
神戸大学大学院医学研究科附属 感染症センター 臨床ウイルス学

目次

  • 潜伏感染とは【0:31】
  • ヘルペスウイルスの潜伏感染とは【1:04】
  • 潜伏感染から再活性化へのメカニズム【1:23】
  • 潜伏感染から再活性化へのメカニズムの解明【2:34】
  • ヒト三叉神経節における潜伏感染遺伝子の発見【3:03】
  • ヒト三叉神経節におけるORF63RNA【5:11】
  • ヒト三叉神経節ウイルス遺伝子プロファイル【5:38】
  • ヒトiPS細胞由来知覚神経細胞潜伏感染モデル【6:11】
  • 再活性化刺激とVLT-ORF63融合遺伝子【6:52】
  • VLT-ORF63による再活性化【7:15】
  • 潜伏感染から再活性化へのメカニズム【7:42】
ヘルペスウイルスの潜伏感染

ヘルペスウイルスの潜伏感染とは、ウイルスゲノムが細胞核内で環状に維持され、限られたウイルス遺伝子が発現し、宿主細胞からの刺激により必ず再活性化する状態であると定義されます。

ヘルペスウイルスの潜伏感染
ヒトiPS細胞由来知覚神経細胞潜伏感染モデル

われわれは、水痘帯状庖疹ウイルスの潜伏感染獲得から再活性化に至る感染現象を時系列で明らかにすることを目指し、ヒトiPS細胞由来の知覚神経細胞を用いたin vitro潜伏感染モデルを確立しました。

ヒトiPS細胞由来知覚神経細胞潜伏感染モデル