(1)主要評価項目(検証的評価項目)

Week 10時点での臨床的寛解率(EBS寛解率)(主要評価項目)(FAS、NRI)

主要評価項目(検証的評価項目)であるWeek 10時点での臨床的寛解率(EBS寛解率)は、Biologic-Naïve例ではジセレカ200mg群26.1%であり、プラセボ群15.3%に比べ統計学的に有意に高く、ジセレカ200mg群のプラセボ群に対する優越性が検証されました(p=0.0157、層別CMH検定)。一方、ジセレカ100mg群は19.1%であり、プラセボ群との比較において、統計学的な有意差は認められず、優越性は検証されませんでした(層別CMH検定)。
また、Biologic-Experienced例のうち、主要解析であるJapan specific analysis(プラセボ群から一部の被験者を除外した解析。注記参照)では、ジセレカ200mg群11.5%であり、プラセボ群4.7%との比較において、統計学的な有意差は認められず、優越性は検証されませんでした(層別CMH検定)。全体集団のFASを対象として行ったGlobal analysisでは、ジセレカ200mg群11.5%であり、プラセボ群4.2%に比べ統計学的に有意に高いことが示されました(p=0.0103、層別CMH検定)。一方、ジセレカ100mg群は9.5%であり、プラセボ群との比較において、統計学的な有意差は示されませんでした(層別CMH検定)。

Week 10時点での臨床的寛解率(EBS寛解率)(主要評価項目)(FAS、NRI)

(2)副次評価項目

1)Week 10時点でのMCS寛解率(副次評価項目)(FAS、NRI)

副次評価項目であるWeek 10時点でのMCS寛解率は、Biologic-Naïve例ではジセレカ200mg群24.5%であり、プラセボ群12.4%に比べ統計学的に有意に高いことが示されました(p=0.0053、層別CMH検定)。また、ジセレカ100mg群は17.0%でした。
Biologic-Experienced例では、ジセレカ200mg群9.5%、ジセレカ100mg群6.0%、プラセボ群4.2%でした。

Week 10時点でのMCS寛解率(副次評価項目)(FAS、NRI)

2)Week 10時点での内視鏡的寛解率(内視鏡サブスコア0達成率)(副次評価項目)(FAS、NRI)

副次評価項目であるWeek 10時点での内視鏡的寛解率(内視鏡サブスコア0達成率)は、Biologic-Naïve例ではジセレカ200mg群12.2%であり、プラセボ群3.6%に比べ統計学的に有意に高いことが示されました(p=0.0047、層別CMH検定)。
また、ジセレカ100mg群は5.8%でした。
Biologic-Experienced例では、ジセレカ200mg群3.4%、ジセレカ100mg群2.1%、プラセボ群2.1%でした。

Week 10時点での内視鏡的寛解(内視鏡サブスコア0達成)率(副次評価項目)(FAS、NRI )

3)Week 10時点でのGeboes組織学的寛解率(副次評価項目)(FAS、NRI)

副次評価項目であるWeek 10時点でのGeboes組織学的寛解率は、Biologic-Naïve例ではジセレカ200mg群35.1%であり、プラセボ群16.1%に比べ統計学的に有意に高いことが示されました(p<0.0001、層別CMH検定)。また、ジセレカ100mg群は23.8%でした。
Biologic-Experienced例では、ジセレカ200mg群19.8%、ジセレカ100mg群13.7%、プラセボ群8.5%でした。

Week 10時点でのGeboes組織学的寛解率(副次評価項目)(FAS、NRI)

<Geboesスケール>

Week 10時点でのGeboes組織学的寛解率 Geboesスケール

(3)探索的評価項目

1)Week 10時点での内視鏡的改善率(内視鏡サブスコア0又は1達成率)(探索的評価項目)(FAS、NRI)

探索的評価項目であるWeek 10時点での内視鏡的改善率(内視鏡サブスコア0又は1達成率)は、Biologic-Naïve例ではジ セレカ200mg群33.9%、ジセレカ100mg群26.4%、プラセボ群20.4%でした。
Biologic-Experienced例では、ジセレカ200mg群17.2%、ジセレカ100mg群13.0%、プラセボ群7.7%でした。

Week 10時点での内視鏡的改善(内視鏡サブスコア0又は1達成)率(探索的評価項目)(FAS、NRI  )

2)Week 10時点での臨床的改善率(MCS改善率)(探索的評価項目)(FAS、NRI)

探索的評価項目であるWeek 10時点での臨床的改善率(MCS改善率)は、Biologic-Naïve例ではジセレカ200mg群66.5%、ジセレカ100mg群59.2%、プラセボ群46.7%でした。
Biologic-Experienced例では、ジセレカ200mg群53.1%、ジセレカ100mg群35.8%、プラセボ群17.6%でした。

Week 10時点での臨床的改善率(MCS改善率)(探索的評価項目)(FAS、NRI)

3)部分MCSのベースラインからの変化量(探索的評価項目)(LOCF)

探索的評価項目である部分MCSのベースラインからの変化量は以下のとおりでした。

部分MCSのベースラインからの変化量(探索的評価項目)(LOCF)

(4)日本人集団におけるWeek 10時点での有効性評価項目(FAS、NRI)(サブグループ解析)

日本人集団におけるWeek 10時点での各有効性評価項目の結果は以下のとおりでした。

<Biologic-Naïve(サブグループ解析)>

Biologic-Naïve(サブグループ解析)

<Biologic-Experienced(サブグループ解析)>

Biologic-Experienced(サブグループ解析)

4. 効能又は効果(抜粋)
 〇中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
5. 効能又は効果に関連する注意(抜粋)
<潰瘍性大腸炎>
5.2 過去の治療において、少なくとも1剤の既存治療薬(ステロイド、免疫抑制剤等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること。
6. 用法及び用量(抜粋)
<潰瘍性大腸炎>
通常、成人にはフィルゴチニブとして200mgを1日1回経口投与する。なお、維持療法では、患者の状態に応じて100mgを1日1回投与できる。