1. ジセレカは、JAKの選択的な阻害を介して、細胞内シグナル伝達経路を調節します。

  • サイトカイン及び成長因子刺激全血アッセイにおいて、JAK1に対してJAK2の14.1倍の阻害活性を示しました。(in vitro
  • 細胞アッセイでは、JAK1を介したSTATのリン酸化を抑制しました。(in vitro

2. 中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者の寛解導入試験において、臨床症状の改善が認められました。(Week10時点での臨床的寛解)

  • Biologic-Naïve例を対象とした寛解導入試験において、主要評価項目(検証的評価項目)であるWeek10時点での臨床的寛解率(EBS寛解率)*1は、ジセレカ200mg群でプラセボ群より有意に高く、ジセレカ200mg群のプラセボ群に対する優越性が検証されました(p=0.0157、初回投与時の経口全身性副腎皮質ステロイド又は免疫調節剤の併用有無により層別化されたCMH検定)。
  • Biologic-Experienced例(Japan specific analysis*2)を対象とした寛解導入試験において、主要評価項目(検証的評価項目)であるWeek10時点での臨床的寛解率(EBS寛解率)は、ジセレカ200mg群とプラセボ群で有意差は認められず、優越性は検証されませんでした〔初回投与時の経口全身性副腎皮質ステロイド又は免疫調節剤の併用有無、及び前治療の生物製剤の数(1剤以下又は2剤以上)により層別化されたCMH検定〕。
  • Biologic-Experienced例(Global analysis)を対象とした寛解導入試験において、主要評価項目であるWeek 10時点での臨床的寛解率(EBS寛解率)は、ジセレカ200mgでプラセボ群より有意に高値でした〔p=0.0103、初回投与時の経口全身性副腎皮質ステロイド又は免疫調節剤の併用有無、及び前治療の生物製剤の数(1剤以下又は2剤以上)により層別化されたCMH検定〕。

3.寛解導入試験で臨床的寛解/改善がみられた患者を対象とした寛解維持試験においても、臨床症状の改善が認められました。(Week58時点での臨床的寛解)

  • Biologic-Naïve又はBiologic-Experiencedの寛解導入試験を完了し、Week10時点で臨床的寛解(EBS寛解)又は臨床的改善(MCS改善)のいずれかを達成した患者を対象とした寛解維持試験において、主要評価項目(検証的評価項目)であるWeek58時点での臨床的寛解率(EBS寛解率)*3は、ジセレカ200mg群でジセレカ200mgからのプラセボ切替え群より有意に高く、ジセレカ200mg群のプラセボ切替え群に対する優越性が検証されました(p<0.0001、寛解維持試験ベースライン時の経口全身性副腎皮質ステロイド又は免疫調節剤の併用有無、及び寛解導入試験における参加コホートにより層別化されたCMH検定)。

4.潰瘍性大腸炎患者に対し、通常成人にはフィルゴチニブとして200mgを1日1回経口投与します。

5.重大な副作用として、帯状疱疹(0.2%)、肺炎(0.3%)等の感染症(日和見感染症を含む)、消化管穿孔(頻度不明)、好中球減少(0.1%未満)、リンパ球減少(0.1%未満)、ヘモグロビン減少(0.1%未満)、ALT上昇(0.6%)、AST上昇(0.5%)等の肝機能障害、間質性肺炎(頻度不明)、静脈血栓塞栓症(0.1%未満)が報告されています。主な副作用(1%以上、10%未満)は、尿路感染、上気道感染、浮動性めまい、悪心です。

添付文書の副作用及び臨床成績の安全性の結果をご参照ください。

*1Week10時点での臨床的寛解(EBS寛解):内視鏡サブスコアが0又は1(中央判定)、直腸出血サブスコアが0、及び排便回数サブスコアがベースラインから1ポイント以上減少して0又は1を達成した場合
*2Japan specific analysis:前治療としての2種類以上の生物製剤(TNFα阻害剤及びベドリズマブ)で治療不成功と判断されなかった米国及び韓国で組み入れられた男性被験者は、本剤100mg群又はプラセボ群に割り付けされたため、本剤200mg群とプラセボ群との比較はプラセボ群からこれらの被験者を除外して行った。
*3Week58時点での臨床的寛解(EBS寛解):内視鏡サブスコアが0又は1(中央判定)、直腸出血サブスコアが0、及び排便回数サブスコアが寛解導入試験のベースラインから1ポイント以上減少して0又は1を達成した場合

4. 効能又は効果(抜粋)
 〇中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
5. 効能又は効果に関連する注意(抜粋)
<潰瘍性大腸炎>
5.2 過去の治療において、少なくとも1剤の既存治療薬(ステロイド、免疫抑制剤等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること。
6. 用法及び用量(抜粋)
<潰瘍性大腸炎>
通常、成人にはフィルゴチニブとして200mgを1日1回経口投与する。なお、維持療法では、患者の状態に応じて100mgを1日1回投与できる。